矯正治療はなぜ歯が動くのか?
矯正によって、不揃いの歯を正しい歯並びに動かしていきますが、どのような仕組みで歯が動くのでしょうか?この歯が動く仕組みはいたってシンプルで、歯の表面側にブラケットと呼ばれる金具を接着剤で貼り付け、そのブラケットの溝にワイヤーを通します。この状態でゴム固定することで歯がワイヤーに引っ張られ、徐々に歯が動いていくのです。
ブラケットとは…
歯の表側に付ける矯正装置で、金属製やセラミック製が一般的です。矯正治療の歴史で最も長く使われてきたもので、金属ということで精密に製作することができるのが特徴です。また、耐久性も十分で、変形・破折・磨り減りなどの心配もありません。変形するおそれがないことで、安心して大きな力が加わる奥歯などにも使用することができるのです。今では、透明で目立たないブラケットやカラフルなブラケットもあり、歯の裏側につけるリンガルブラケットと呼ばれるものもあります。
八重歯・乱ぐい歯(叢生:そうせい)
でこぼこに生えた乱ぐい歯、犬歯が飛び出した八重歯などのことを言います。 歯と小さくなったあごの大きさとの不調和が原因とされており、歯ブラシの毛先が届きにくいために、長い間に虫歯や歯周病(歯槽膿漏)にかかりやすくなります。
矯正前 | 矯正後 | |||
出っ歯(上顎前突:じょうがくぜんとつ)
上顎や、上顎の歯が前に飛び出ていている状態です。歯だけが前へ傾斜している状態と、上顎<うわあご>自体が前方に突き出している場合があります。逆に下顎<したあご>が後方に引っ込んでいるなど等の骨格性<こっかくせい>のものも見られます。
矯正前 | 矯正後 | |||
受け口(反対咬合、下顎前突:かがくぜんとつ)
上下の咬み合わせが逆になっている状態。下の歯だけ前方に傾斜している場合と、下顎自体が前方に発育している、又は上顎が後方に引っ込んでいるなど等の骨格性のものもあります。
矯正前 | 矯正後 | |||
骨格性の下顎前突
遺伝的に下顎が上顎より大きい、あるいは幼いときには機能性だったものでも、成長の過程で骨格性に移行した場合も含め、上下のあごの骨の異常な発育によるものです。
矯正前 | 矯正後 | |||
開咬
奥歯で咬んでも前歯は咬んでおらず、上手く咬めない状態。また、発音に問題が生じることもあります。指をしゃぶっていたり、舌を出す癖があったり、口で呼吸を続けていたりする事などから起こります。
矯正前 | 矯正後 | |||
すきっ歯(空隙歯列)
治療の内容によりますが、(症例の内容や個人によって異なりますが、成人の場合1.5−2.5年かかります)その後の調節は、ほとんどが30〜50分程度となります。 通常は3〜6週間に1回のペ−スで通院が必要となります。 定期観察の場合は、2〜6ヶ月に一回通院していただきます。
矯正前 | 矯正後 | |||
ローフォース・ローフリクションテクニック
ローフォースとは、「小さな力」。ローフリクションとは、「小さな摩擦」。
つまり、あまり時間をかけずに、大幅な痛みの軽減が可能になります。
矯正の際には、セルフ・ライゲーティングブラケットなどの超弾性ワイヤーを用いて、アーチワイヤーをブラケットに固定します。この、ローフォース・ローフリクションテクニックの代表的なものとして、デーモンシステム、裏側矯正(Stb)、クリアスナップ併用法などがあります。
デーモンシステム
デーモンシステムとは、セルフ・ライゲーティングブラケットを利用するローフォースローフリクションテクニックの中で、最も有名な矯正法です。歯の移動に伴う負担や違和感が非常に少ないため、ひどい乱ぐい歯の方に最適な強制法です。また、治療期間も短くて済みます。
舌側矯正(裏側矯正)
舌側矯正は、裏側矯正とも呼ばれ、これまで一般的だった歯の表側でなく、裏側にブラケットを装着して矯正方法です。今までの矯正法では、どうしてもブラケットが目立ってしまうので、仕事上矯正に踏みきれない方も多くいたのです。
カラフルな矯正装置
ブラケットは、金色や銀色だけでなく、赤や黄色といったカラフルなものが存在します。
矯正装置自体は目立ちますが、逆手にとって矯正を楽しむ方が増えてきました。
季節に合わせて、ブラケットもコーディネートできるのです。
クリアワイヤー
クリアワイヤーとは、透明の矯正装置です。
ブラケットやワイヤーが透明ですので、目立ちにくいというメリットがあります。
こちらも人気の高い装置です。